11 今日来たっつー転入生も変なことをいったんだろう。俺の遙香を怯えさせやがって……絞めとくか。 「ねぇねぇ」 「あ?」 「また眉間にシワ。彰ちゃん、いつも何考えてるの?」 「遙香のこと…だっつったら?」 「あぅ…も、バカッ」 照れてるな。 でも…俺はいつでも、遙香のことを考えてんだぜ? * * * 「あっ、今日は僕が食事当番だった」 「買いもんか?」 「んー…行こっかな。時間あるし…」 そういうと彰鬼も行くと言い出した。1人で出歩くと必ずといっていいほど男に声をかけられる。下手をすると誘拐、なんてことも。 守るためとは知らない遙香は、まだ彰鬼といれると嬉しそうだ。 「彰ちゃんのお家はなぁに?」 「あー…、カレーの匂いしてたな」 彰鬼の家は2、3年前に両親が亡くなっている。そのため家事全般は彰鬼の兄が朝の内にやっているのだが、たまに一緒に食べたりすることもある。それに彰鬼も一通り家事は出来るので男2人家族に負担はない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |