8 「海きれーだね…」 「遙香の方が綺麗だろ」 「えーじゃあ彰ちゃんの髪はもっと綺麗!ね、幸ちゃん」 「え?あ、そうかもな」 夕日になりつつある太陽は彰鬼の髪と海を照らす。しばらくそれに見とれていた遙香だが、今度は砂を山にしだした。ペタンと座るアヒル座りが可愛らしい。 「何してんだ?」 「んとね、トンネル作るの。一度やりたかったんだっ」 「お、じゃあ手伝っちゃおー」 「わぁ、ありがと」 「いえいえ」 幸慈と2人で山にし、固めて穴を掘る。さすがに彰鬼はそれには混ざらず、ジーッと遙香の横顔を眺めていた。 ▼彰鬼side どこに行っても遙香へのイヤラシイ視線は絶えねぇ。 そのたびに遙香は怯えてきていた。 ……なのに、んで今日はそれがねぇ? 「ね、ね、もうちょっとかな?」 「あー…どーだろ」 いいこと何だろうが喜べねぇ。 俺の中だけに閉じ込めておきてぇ。狛璃さんなんか忘れるくれぇに。 [*前へ][次へ#] [戻る] |