4
「ついにハルも友達と遊ぶようになったかー」
「違うっ…ただ、呼ばれただけなの」
「それでもにぃには嬉しいよ」
「……ほんと?」
「ほんと。ハルにはもっと楽しい毎日を送って欲しいからね!」
(にぃにがいれば楽しいのに…)
とは決していわない。それをいったら狛璃が困るのが分かっているから。そんなことを思いながら狛璃と一緒に服を選ぶ。あまり目立つ格好はしたくないというと、じゃあ…といってオーバーオールを渡してきた。
「これに帽子かぶろっか」
「んぅ…目立たない?」
「そうだなーハルは何を着ても可愛いからなぁ」
「もうっ…ありがと」
はにかみながらそういうと、狛璃はグリグリと頬を擦り付けながら抱き締めてきた。それが嬉しくて遙香も同じことをしているうちに時間が過ぎていく。
「これもしてこっか」
「え…これ、にぃにのネックレス…」
「うん、御守りだね」
「いいの…?」
「? もちろん」
チャリ…と音をたてて首につけてくれたのは、母の形見のネックレス。いつもは狛璃が大事にしまっているのだが、1人で頑張ろうとする遙香に御守りとして持たせた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!