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必死に頼み込む理樹の姿に、強く断れなくなってしまった遙香。本当は行きたくないし、怖い。でもいつもお世話になってる?先輩だし、強くなると決めたばかりだ。
「1人…」
「え?」
「1人、連れてっても…いいですか?」
「あ、うん、もちろんだよ……ってそれ、彰鬼じゃないよね?」
「……あ、いいえ」
「じゃあいいよ。あ、連絡先…」
彰鬼や狛璃、零鬼たちと行ったら混乱してしまう。そんな中で遙香が呼べるのは…。
嫌々行くことになってしまったソレと、携帯に新しく入ったアドレスに少なからず遙香は頭を悩ませた。
(理樹先輩だと素直に喜べない…?)
「……僕が初めて、かな?」
「?」
「ここに彰鬼とか家族以外登録されるの」
「…いいえ?」
「え…あ、そう。まぁ…待ってるね」
(なんだ…他にいたんだ)
ガックリと気分を落としながら理樹は図書室を出て行った。友達というよりは先輩な理樹。いい人なのにどこか警戒してしまう。
人間って難しいな、なんて思いながら遙香も教室に帰っていった。
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