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 あのシンデレラボール、きっと遙香がここに来るだろうと読んで置かれたものだったのだ。終了までに自分に会いに来てくれると思っていたのに…姿を見つけることは出来なかった。


「ずっとここにいたの?」

「いえ、途中で家に…」

「…そっか。でもサボリに間違いないよねー?」

「ぇ、あ…?」


 ニコーッと笑う理樹に自然と嫌な汗が流れる。そしてそれを読み取ったかのようにもっと笑顔になり、理樹はこういった。


「僕のお願い、1つだけ聞いてくれないかな?」

「お願い、ですか?」

「うん。先生には内緒にしててあげるから、ね?」

「………何ですか」

「僕の仕事姿、見て欲しいんだ」

「え?」


 今度はマジメな顔でそういわれた。写真の自分だけでなく、仕事をしている自分も見て欲しい。もっと色んなことを知って欲しい、そう理樹は思った。


「ですが…」

「お願いします…ダメ?」

「っ…」


(人前に行く…ってことだよね…怖いよぉ…)


「人はなるべく減らしてもらうよ」

「………」

「変装してきてくれてもいいし…ね?」





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あきゅろす。
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