仕事姿
さて、そんなことを知らない遙香は昼休みに今日も図書室に来ていた。親睦会以来モデルの仕事が忙しいのか、理樹は姿を見せてない。
(特進科ってみんなこうなのかな…)
式や移動教室で見かける彼ら。スポーツクラス、文芸クラス、芸能クラスとあるらしく、彼らが全員そろうことは滅多にないらしい。…といっても遙香は誰が通っている、などは知らないが。
──トントン
「ぇ……あ、」
「やっとこっち見てくれた」
「……え?」
「もう5分くらい前からいたかな」
そういって笑顔で横に座る理樹。どうやら真剣に読んでいた遙香は、入ってきたことに気づかなかったらしい。机を鳴らされなければずっと気づかなかっただろう。
「すいません」
「ううん。それより…親睦会、どうしたの?」
「?」
「僕77番だったんだけど…誰も来てくれなかったんだよね」
(77……あれ?)
「同じ…」
「うん。サボっちゃった?」
少し子供のような笑顔でそういう理樹に遙香は曖昧に頷いた。
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