8
後ろから抱き締めたままだった彰鬼は、遙香の衝撃的な発言に声をあげた。あんなに怖がっていたのに、なぜ?
「にぃにに…助けてもらったの」
「狛璃さんに…」
「うん、もう大丈夫だよ。色々とごめんねっ」
「いや…別に」
(…それでも…)
プチプチと一緒に雑草を抜きながら彰鬼は考えた。これから先幸慈が何もしないとは限らない。理樹にだって忠告はしたんだから…幸慈にも。
まさかそんな恐ろしいことを考えているとは知らない遙香は、いつも心配してくれる彰鬼の優しさに感激していた。しかも何もいわずに草むしりまでしてくれているのだ。
「っ…彰ちゃん大好き!」
「おわっ!?…遙香?」
「ふふー早く帰ろっ」
「あぁ…?」
ニコニコと上機嫌な遙香とともに、今日の夕食は何かな、なんて話をしながら2人は帰った。
◆
「今日も元気にいってらっしゃい!」
「いってきまーすっ」
次の日、2人が玄関でいつも通りの挨拶をしているとき、幸せ運ぶユッキーは不幸なことに巻き込まれていた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!