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 後ろから抱き締めたままだった彰鬼は、遙香の衝撃的な発言に声をあげた。あんなに怖がっていたのに、なぜ?


「にぃにに…助けてもらったの」

「狛璃さんに…」

「うん、もう大丈夫だよ。色々とごめんねっ」

「いや…別に」


(…それでも…)


 プチプチと一緒に雑草を抜きながら彰鬼は考えた。これから先幸慈が何もしないとは限らない。理樹にだって忠告はしたんだから…幸慈にも。

 まさかそんな恐ろしいことを考えているとは知らない遙香は、いつも心配してくれる彰鬼の優しさに感激していた。しかも何もいわずに草むしりまでしてくれているのだ。


「っ…彰ちゃん大好き!」

「おわっ!?…遙香?」

「ふふー早く帰ろっ」

「あぁ…?」


 ニコニコと上機嫌な遙香とともに、今日の夕食は何かな、なんて話をしながら2人は帰った。







「今日も元気にいってらっしゃい!」

「いってきまーすっ」


 次の日、2人が玄関でいつも通りの挨拶をしているとき、幸せ運ぶユッキーは不幸なことに巻き込まれていた。





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