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「お、遙香オッハー!」
「ぉ…おはよう」
「へへっ、やーっとだな」
「……ごめんなさい」
(ぐぁっ!なんかチョー可愛いんだけど!)
本人はポーカーフェイスのつもりだろうが、少し眉が垂れ下がっている。その様子が叱られた犬のようで可愛く、幸慈は少し進展したんだと自信を持つ。
それからは特に変わりなくいつも通りだが、2人の間が少しだけ縮まったような気が、した。
(…あ、今日は緑化当番だ…)
買い物してこうと思ったのに、なんて考えながら迎える放課後。早く終わらせようと草むしりをしていた遙香の前に、3つの影がさした。
「っ…?」
『ねぇ、小鳥遊君だよねっ?』
『ちょっと来てもらえるかなぁ?』
『いいよね、うん、行こ?』
(え、やだっ…何!?)
女子が3人、遙香に喋らせる間も与えずに移動し始めた。相手が男でなくても恐怖しかなく、遙香は必死に足を突っ張る。
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