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「でも、でもね…あの人悲しそうな顔するの。…僕が、そうさしてるの?」

「ハルは…その子と仲直りしたいのかな?」

「ん…でも、友達じゃ…ない…」


 そう口にしてみたが狛璃に言われた『仲直り』、この言葉が一番しっくりくる。たった1ヶ月程度いただけなのに、幸慈は遙香の心に少しずつ入り込んでいるのだ。


(これはいい傾向だな…)


 狛璃も悩む遙香をみてそう思う。誰かの様子を気にとめる、なんてこと今まででは有り得なかった。本人が意識してないだけで遙香の中では、幸慈はもう友達になりつつある。


「謝ってみようか」

「………」

「にぃにがついてるから、お話ししてみようか、ね?」

「……いい」

「え?」

「1人で、出来る。…だから、ぅえっ…で、きたらね、」

「……うん、待ってるよ」


 1人で頑張る、そういう遙香に優しい眼差しをおくり、今にも泣き出しそうな目尻にキスをした。それで勇気が出たのか、一回狛璃に抱きついてから自分の部屋に戻る。

 携帯に入っている幸慈の連絡先。遙香は少し悩んで送信のボタンを押した。


(強く、なかなきゃ…)





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