仲直り?と警告
その1日目に幸慈は声をかけてきた。
『おはよ』
『っ!』
『あ……ごめん、な』
声をかけられて遙香は大げさに肩を揺らした。それ以来幸慈は話かけてこない…が、同時に元気もなくなっていた。…振り出しに戻ってしまった。
「にぃにに話してごらん?」
「だって、だってね…──」
遙香は話した、何があったのかを。その後の幸慈の様子も全部だ。いきなり抱き締められ怖かったはずなのに、元気のない幸慈を見ると悲しくなるということも。
「それで…ハルはどうしたいのかな?」
「……分からないの」
「うん」
「何でこう思うのかも…っ…分からないの」
「…きっと…ハルはちゃんと分かってるんじゃないかな」
幸慈に悪気があった訳じゃないことを。あの彰鬼といれば誰だって脅されてると思ってしまうし、遙香もそれなりに理解はしている。それでも見た目で判断はしてほしくないし、怖かったのだ。
「にぃに…僕、いけない子なのかなぁ…っ?」
「そんなことないよ。ハルの気持ちも、にぃにはちゃんと分かってる」
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