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 黒髪の彼は顔だけで会長に選ばれたんじゃ、と思うほどかっこよく、派手な服を着ていた。マイクから離れて優雅に歩く姿も様になる……と、何を思ったのが引き返してきた。


「いい忘れてたが…俺らの番号は終了15分前に放送する。怪我、事故だけは起こすなよ。以上」

『『キャアアアッ』』
『会長かっこいい!』
『一生ついていきますぅ』



 会長がニヤッと笑うと女子がドッと盛り上がる。遙香の隣では『本物の女の子!』とか、訳の分からないことをいって幸慈が興奮していた。

 だがついに遙香の我慢は限界を越したのか、口元を押さえながら外に出て行った。ドアを閉めると熱気もうるさい声も遮断され、胸いっぱいに新鮮な空気を吸い込む。


「ふはぁ…怖かった…」


 自分に目が向けられてる訳でもないのに、なぜかけなされてるようだった。それも無くなって安心した遙香はあてもなく歩き始める。

 今日は快晴だ。





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あきゅろす。
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