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「は…は、ごめん」
『気安く小鳥遊に話かけっからだぞ?』
『いえてる!誰がユッキーに教えるかってなぁ』
『あーでも俺もしりてぇ』
『あ、私も!』
(っ…やめてよ!!)
携帯を握る手に力が入る。今やクラスは遙香の話で持ちきりになり、それが悪意としかとれない遙香は気分を悪くしていた。
女の子みたいだから?
いらない子だから?
何もしてないのに、どうして…?
「おい…いい加減にしろよ!」
「っ…?」
「遙香が困ってんだろー?し・か・も!ユッキーの話題じゃねーしっ」
『ギャハハッ誰がするかよ!』
(……あれ…?)
幸慈が助けてくれた?一瞬にしてクラスの話題の中心は幸慈に変わり、誰も遙香を見なくなった。そのことにホッとした所でチャイムが鳴り、次の授業が始まろうとする。…が、
「な、ケータイ貸して?」
「ぇ……あっ!」
「…………………ん、」
カチカチと勝手に操作をし、遙香が奪い返す前に携帯を返してくる。何かと思って中を見ていると、声をもっと小さくして、
「俺の入れといた。何かあったら連絡してネ♪」
そういってきた。
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