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毒は抜かねば
 しばらく遙香を起こさないよう大人な花見を楽しみ、そっと家に帰った。まったく起きる気配がなく、結局夕方近くまでグッスリだったとか。







 4月も後半に入ったが、特に変わりのない毎日を過ごしていた。一つ変わったことといえば幸慈と挨拶だけは交わすようになったこと。

 そして今はお昼休み。


「この本面白かったよ。ありがとう」

「いえ…良かったです」

「後これ、よかったら見てくれないかな?」


 そういって理樹に手渡されたのはファッション雑誌。表紙のセンターをカッコ良くキメた理樹が陣取っていて、5月号と表記されている。


「あ、いつも申し訳ありません」

「ううん、僕がみてもらいたいだけだから」


(ほんと、なんでだろ?)


 恒例となった発売前の雑誌のプレゼント。毎月欠かすことなく理樹は載っていて、その姿をどうしても見て欲しくて遙香に渡しているのだ。勉強にもなるし彰鬼もたまに読むのでもらっているが、本人はその理由を理解していない。





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あきゅろす。
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