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満開の桜、お花見を楽しむたくさんの人。胸を高鳴らせながら彰鬼を探すと、ある一部で全く人のいない空間に出くわした。
「………おせぇ」
「ごめんね彰ちゃん。場所とり、ありがとうっ!」
(うわー彰鬼のせいでスカスカ)
「遙香のためだからな。ほら、礼は?」
「ん……」
──チュッ…
彰鬼の頬に可愛らしいリップ音をたててキスをし、3人は意外に綺麗に張られたシートに座った。彰鬼が怖かったのか威嚇したのか、その桜の近くには人がいない。
「凄い綺麗だよねっ」
「まるでハルは桜の妖精だなっ」
「だな。おい、カメラ回そうぜ」
「ああ。彰、頼むな」
「は?んで俺が…」
(…つっても聞かねぇよな。遙香バカだし…)
彰鬼も遙香が好きでそれはもうベタボレなのだが、兄2人はハンパない。何かあればカメラ、電話。親バカ…ブラコンにもほどがあるといいたくなる位。だから4人集まると必然的に彰鬼がカメラマンになるのだ。
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