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そういって狛璃が頷くと、遙香は良かったーと気の抜けた笑顔を見せた。その姿に心を奪われた遙香はギュッと抱き締め、ぐりぐりと頬を擦り付ける。
「んわわっ、痛いよぉ」
「かーわーいーいーぞー!!」
「もっ…にぃにってば」
「……そーそー。もう放しなって」
「「あ、零(にぃ)っ」」
「遅いから迎えにきた」
駆け寄ってきた遙香の頬に軽くキスをする彼は山園零鬼。彰鬼の兄であり、狛璃の親友だ。茶色の短髪に彰鬼と同じ黒い目、整った顔は終始笑顔で、それからも分かるように明るい性格をしている。
彰鬼とは正反対だ。
「狛璃、用意は?」
「バッチリだ。ビデオカメラもバッテリーもな」
「…ちげーよ。飯だっつーの」
…とはいってもこういう所は彰鬼と似ている所がある。狛璃とは本当に幼い頃からの友達で、今はもう4人兄弟といってもおかしくない位の仲良しである。
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