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お花見
「……あぁそうだ」

「?」

「兄貴が花見するっつって聞かねぇんだけど」

「え、お花見?わぁ…いいね、しよっ?」

「言うと思った」


 彼らは遙香の喜ぶことしかしないから。特に彰鬼の兄、零鬼は遙香を本当の弟のように可愛がっていて、狛璃と一緒になってデレデレしているのだ。楽しみだね、なんて話をしながら2人は帰る準備を始めた。







『本日は雲一つなく、春の暖かい日差しが…』
『桜は満開です。お花見をする人で溢れかえって…』


「ど、どうしよーっ!!」

「な、なんだ!?どうしたハル!」

「人で溢れてるって…座れる場所ないかもっ…」

「……な…んだ、そんなことか…」


 花見の準備をしていた狛璃は、遙香のそばでガクッと頭を垂らした。


「そんなことって…うぅ、座れなきゃ何も出来ないもんっ」

「大丈夫!彰が場所とっといてあるはずだよ」

「彰ちゃんが?」

「うん」





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