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バンと別れて家に入り、少し遅くなってしまったために簡単な夕食を作る。大好きな狛璃のために、と思うと自然と鼻歌まで歌ってしまい、頬が緩んでニヤケてしまう。
そしてちょうど作り終えたころにドアが開く音がして、狛璃が仕事から帰ってきたようだ。手を止めて玄関にいる狛璃に駆け寄る。
「にぃにお帰りなさいっ」
「ただいまハルー!いい匂いするな」
「ふふーっ。にぃにのためにね、愛情いーっぱい入れたもん」
「っ…可愛いこといってくれるなぁもうっ」
ぎゅーっと抱き締め、ただいまとお帰りのキスをする。すっぽりと腕の中に収まって擦りよってくる遙香が可愛くて、狛璃もグリグリと頬を押し付けた。なんら変わりない、でも気持ちの通じ合った行為だ。
あと半月もすれば雪が降るだろうこの季節。冷え切った体は大好きな人の熱で温まり、心もポカポカだ。
付き合った?と聞かれたら違うのかもしれないが、彼らは前よりも親密になった。そこに何人ものライバルが遙香を奪おうと頑張る。これぞ、総受けの希望なり。
「にぃに、大好きだよっ」
「ありがとな、ハル」
「えへへ、僕諦めないんだからねっ!大大大だーい好きっ」
*END*
→あとがき
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