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「……バンさん…」
「っ、ここにデビルいませんでしたか!?」
(わぁ…デビルさんエスパー!?)
「今走っていきまし…た」
「チッ、また逃げられたか……あ、いえ、何もされませんでしたか?」
「……はい」
遙香君を囮にしたな、なんていって深く溜め息をつくバン。どうやら一日かけて追いかけっこをしていたらしく、整った髪は乱れていた。だけどバンはあとを追わずに遙香の歩調に合わせる。
「私たちといれば襲われる心配ありませんから」
「ふふ…はい」
「?」
「Jumbleの皆さんは優しいですね。知れて良かったです」
「っ…!」
幼い女の子のような笑みは、バンの心を揺さぶり動かした。今では "遙香保護隊" にJumbleメンバーも加わり、遙香の知らないところで色々と動いていた。
デビルは遙香を囮にしたとはいえ、こんな時間まで待っていた。それは守ったということになるわけで……バンは仕方なくデビルを許すことにしたようだ。そしてようやく遙香の家が見えてきた。
「送ってくれてありがとうございました。デビルさんにもお礼…」
「いっておきますよ。では私はこれで」
「はいっ」
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