[携帯モード] [URL送信]

 遙香よりも低くかがみ、下から見上げるようにして遙香を見る。いってることも楽しそうな顔も、なぜか遙香には恐怖でしかない。……事実、他の族の人と喧嘩をしていたのだから。


「送っちゃうヨー」

「あ、ありがとうございます…」

「に、しても…こーんな子が俺らの総長狂わしちゃうんだよなー。コワイコワイ」

「僕は…っ、デビルさんの方が怖い…です」

「そりゃそーだ!ギャハハ、感覚はモノホン〜」


 仲が戻ってから何回か溜まり場に行っており、デビルたちともある程度話せるようになっていた。そのため彼らは遙香が自分たちのような人に怯えなくなるんじゃ…と思っていたが、ちゃんと警戒心は持っているようだ。

 ゲラゲラ笑うデビルを不審な目つきで遙香はみた。


「気をつけて遙香チャン。いつか化け物は人間を喰らうヨ」

「ひっ…!?」

「なーんちゃってな。どうやら血の匂いを嗅ぎつけた奴がきたみたいだからここまで!じゃーねー」

「あ…はい」


 デビルは手を振って闇に消えていった。そしてそれと同時に後ろから走る足音が聞こえ、遙香は振り返った。





[*前へ][次へ#]

9/12ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!