2
遙香よりも低くかがみ、下から見上げるようにして遙香を見る。いってることも楽しそうな顔も、なぜか遙香には恐怖でしかない。……事実、他の族の人と喧嘩をしていたのだから。
「送っちゃうヨー」
「あ、ありがとうございます…」
「に、しても…こーんな子が俺らの総長狂わしちゃうんだよなー。コワイコワイ」
「僕は…っ、デビルさんの方が怖い…です」
「そりゃそーだ!ギャハハ、感覚はモノホン〜」
仲が戻ってから何回か溜まり場に行っており、デビルたちともある程度話せるようになっていた。そのため彼らは遙香が自分たちのような人に怯えなくなるんじゃ…と思っていたが、ちゃんと警戒心は持っているようだ。
ゲラゲラ笑うデビルを不審な目つきで遙香はみた。
「気をつけて遙香チャン。いつか化け物は人間を喰らうヨ」
「ひっ…!?」
「なーんちゃってな。どうやら血の匂いを嗅ぎつけた奴がきたみたいだからここまで!じゃーねー」
「あ…はい」
デビルは手を振って闇に消えていった。そしてそれと同時に後ろから走る足音が聞こえ、遙香は振り返った。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!