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「クソッ、やればよかったか」
「ひっ…」
「あ゙?!つか何でコイツまでいんだよ」
「し、知りませんよっ」
彰鬼の横にいた幸慈は災難だ。告白以来、遙香は少しでも狛璃のそばにいようとし、狛璃もそれに応えるようになった。別に彰鬼をシカトしているわけではないのだが、やはりストレスが溜まる。
その矛先が幸慈へと向いてしまった、ただそれだけだ。
「ユッキーはな、オレらの家族も同然だぜ?」
「はぁ?兄貴、頭とうとうイカレたか」
「死にたいのか彰鬼。……ったく、ユッキーがいなきゃハルハルもこんなに変わんなかっただろ?」
「いや、俺は何も…っ」
「そんなことないよっ。福と幸せが永く続く幸ちゃん、でしょ?」
はい、とブドウを差し出しながら微笑む遙香に顔が一気に熱くなる。その笑顔のせいもあるが、自分のフレーズを覚えていたことが嬉しいのだ。
「幸慈くんは幸せ郵便屋さんだな」
「ねっ、にぃにうまーいっ」
「ハルもかわいーぞー」
「えー今関係ないじゃんかー。でも嬉しっ」
((うわー甘っ!))
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