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遙香の手を握って一緒に移動する。彰鬼はそんな2人を恨めしそうな目でずっと見ていた。もちろん零鬼も幸慈もそれに気づき、慰めるようにして3人で歩いた。
「そーだハルハル!ここハウスもあるらしいから帰りに他の買ってこうな」
「へぇーイチゴとかあるかなぁっ?」
「季節ちげぇだろ」
「でもハウスだよ?あるかもしれないじゃんっ」
「あるといいな、ハル」
「うんっ」
…結局最後は狛璃に持っていかれる。彰鬼は可哀相な役割だ、そう感じずにはいられない幸慈だった。
お金を払い、早速ブドウ狩りを始める。他のイチゴやさくらんぼと違い、ブドウは1つが大きく粒もたくさんついている。1つとってはみんなで食べる、を繰り返していった。
「んーっ、おいひ。…あ、あれ取りたーいっ」
「遙香じゃ届かねぇな」
「うぅ…にぃに抱っこぉ」
「よーし、えい、今だっ」
「キャーははっ、とれたぁー」
後ろから脇に手を入れ、ぐっと持ち上げられる。触れられてることが嬉しいのか、頬をほんのりピンクに染め、ありがとうとお礼をいった。見ていて微笑ましい光景ではある…が。
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