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「んー?」
「えへへ、にぃにの夢みたぁ…」
「にぃにの?」
「うん…えっと、にぃにっていうか、にぃにがしてくれたことの夢…」
「楽しかった?」
「ふふ、凄く楽しかったの」
まだ寝ぼけているのか、頬は緩みっぱなしで続ける。きっと、そんな夢を見たことよりも狛璃がしてくれたことが嬉しかったのだろう。ゆっくりと起き上がりながら狛璃に抱きついた。
「お帰りなさい」
「ぁ…ただいま、ハル。さぁご飯にするよ」
「はーいっ」
「……そうそう、今度みんなで出かけよっか」
「え、お出かけ?行くー!」
狛璃の作った温かいシチューを食べながら、遙香は足をパタパタさせて頷いた。夏以来こうやって出かけることはなかったので、みんなで行こうと零鬼と考えていたのだ。
「どご行くの?」
「そーだなー…今考えてるのはブドウ狩りかキノコ狩り。ハルはどっちがいい?」
「えーんっと…んーっとね、」
「はは、ゆっくりでいいよ。来週の土曜日くらいに考えてるから」
「分かった、考えとくねっ」
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