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はぁあ…出鼻から挫けちゃってんじゃん。
でも、嫌いじゃないってことはまだ友達になれる可能性あり!?
うし、ちょっとずつ頑張るか。
* * *
チャイムが鳴ると一斉に騒がしくなる。遙香も目をしばしばさせながら教科書を片付けた。
「あのさ、ありがとな」
「………」
「それといってくれてサンキュー!でも友達になりたいっつーのはマジだから」
(まだ諦めてなかったの…)
『ユッキーはやーく!』
『あーねぇねぇ、アド教えてー?』
『あ、私も私もっ』
「今行くー!つか女の子のアドゲット!」
そういって幸慈は走っていく。その姿をみて遙香は少しだけ、驚いた顔をした。ああ、この人は本気でそう思ってくれてるんだ…と。
今はまだ信用することが出来ないし、怖いという気持ちも消えてない。でもいつか、幸慈のことをちゃんと知れたらいいな…と密かに思う遙香でした。
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