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 立派なたてがみにも関わらず腰の低いライ。従順な下部、といった感じに遙香に接するため、逆に遙香は怖がってしまう。でも気づかないライは嬉々として遙香を中へ案内した。

 中の人たちも遙香を見ると元気よく挨拶をしてくる。怖い怖いといわれていた人たちなだけに、遙香は変な気持ちになった。そしてあの部屋の前までやってくる。


『ライっす、失礼します!』

「………んだ」

『遙香さん、お連れしました』

「は、るか?……は?何やってんだこんなとこで」

「ぅ、ごめんなさい…」


 怒られた、そう思ってシュンとなる。別に怒っているわけではない彰鬼はしまった、という顔をしてとりあえず遙香を座らせた。


「なんで1人できた?」

「しょ、ちゃんに話、あって…」

「なら電話しろ、な?ここはあぶねーから」

「はい…」


(ったく…ほんと可愛いぜ)


 彰鬼はあの食事会以来、落ち着いてきていた。今日も何もなく3人で話をしていたのだ。気持ちが落ち着いている分、余計遙香が可愛くみえる。





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あきゅろす。
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