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「なーなー。そろそろ仲良くしよ?」(小声)

「………」

「ユッキーって呼んでよ、ね?」

「………っ」


 周りに聞こえないようしつこく話しかけてくる幸慈。ペンを持つ遙香の手は震えるが、これは声を出さずに幸慈に告げるチャンスだ。そう思った遙香はノートに文字を書きだした。


『あまり話しかけないで』

「わ、綺麗な字。……で、なんで?俺のこと…嫌い?」


(あ…悲しそうな顔…)


『別に嫌いじゃない』

「ならなんで?」


 ………、しばしの沈黙。そして遙香は悩みに悩んでこう書いた。


『人が苦手だから。あなたは怖い』

「あー………」


 綺麗な文字で心にグサッとくる言葉。そう思われていたことを初めて知った幸慈は、それから喋らなくなった。遙香はホッとしたようにまた黒板の文字を写し始めた。



▼幸慈side

一生懸命黒板の字を写す遙香。
ただ、仲良くなりたいって思って、俺を知って欲しくて話しかけてたのに…。


えーなに、俺って仲良くなろうとして怖がらせてたわけ!?
しかもチョーしつこく!





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