5 2人で家に向かっていると、遙香は緊張した面もちでそう切り出した。暗くてよく分からないが目をキョロキョロさせ、顔を赤くしながら。狛璃はよほどのことだと思ったのだろう、優しく笑って遙香についていった。 なかなか話を切り出せなく、シーンとした時間が続く。狛璃は何もいわずに遙香の言葉を待つことにしたらしい。 「っ……あ…ぇ、」 「………」 「はぅ、はっ……はぁ…」 (ハル…大丈夫かな…) (ん…大丈夫、いわなきゃっ) 「あのね、…驚かないで聞いてほしいの」 「うん」 「っ、にぃに……ん、と…」 気合いを入れてもやはり告白というのは勇気がいる。口を開いては閉じ、開いては閉じを繰り返し、ようやく決心がついた。街頭の下で狛璃に向かい合わせになるように座り、ちゃんと目をみる。 「僕、にぃにのこと……す、す…っ」 「っ…?」 「ぅ……す、……好き…です」 「………」 「ぁ……や、ごめんなさいっ、嫌いになっちゃ…やだぁ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |