[携帯モード] [URL送信]
10
「にぃにが言うなら…頑張ってみる…」

「よし!いい子!」

「えへへっ…やっぱ僕手伝うよっ」

「じゃーエプロンちゃんしましょーね」

「はーい」


 さっきまでの暗い雰囲気を吹き飛ばすように、2人は冗談を言いながら料理を作った。
 遙香にとって狛璃の言葉は絶対的な力をもつ。明日話しかけられたらちゃんと言おうと心に決めるのであった。


 そして次の日、学校へ行くとさっそくと言わんばかりに幸慈が話しかけてきた。でも結構ギリギリに来るため、話を持ちかけるだけの心の準備が出来ないまま授業が始まる。


「……あ、やっべー…教科書忘れた」

(見た目通り…バカなんだ)


「どうすっかな……あ!なぁ遙香、みーしーてー?」

「っ…!?」

「ありがとー」


(えぇぇ…っ!?)


 まだ何も言ってない。きっと遙香は断るだろうと思った幸慈は先に行動に移したのだ。机をくっつけて勝手に教科書を真ん中におく。そしてニコニコ顔で遙香を見た。





[*前へ][次へ#]

26/52ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!