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「にぃにが言うなら…頑張ってみる…」
「よし!いい子!」
「えへへっ…やっぱ僕手伝うよっ」
「じゃーエプロンちゃんしましょーね」
「はーい」
さっきまでの暗い雰囲気を吹き飛ばすように、2人は冗談を言いながら料理を作った。
遙香にとって狛璃の言葉は絶対的な力をもつ。明日話しかけられたらちゃんと言おうと心に決めるのであった。
そして次の日、学校へ行くとさっそくと言わんばかりに幸慈が話しかけてきた。でも結構ギリギリに来るため、話を持ちかけるだけの心の準備が出来ないまま授業が始まる。
「……あ、やっべー…教科書忘れた」
(見た目通り…バカなんだ)
「どうすっかな……あ!なぁ遙香、みーしーてー?」
「っ…!?」
「ありがとー」
(えぇぇ…っ!?)
まだ何も言ってない。きっと遙香は断るだろうと思った幸慈は先に行動に移したのだ。机をくっつけて勝手に教科書を真ん中におく。そしてニコニコ顔で遙香を見た。
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