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この日の天気は晴れ。でもそんなの関係ない。遙香が告白しようと行動に移したのは夜だった。
シチュエーションとかそこらへんは分からなかったけど、遙香は狛璃の会社の前まで来ていた。このまま2人で食事に行って、2人きりになれる所へ移動して……そこでしよう、そう考えていた。
少し暖かい格好をしてオシャレもして。高鳴る鼓動を抑えながら狛璃を待つ。次々に出てくる人が遙香を見ていくが、今の遙香にはそれすら目に入らない。
『誰か待ってるのかな?』
「………」
『寒いだろ?その人が来るまで遊ばないか?』
「………」
『……聞いてんのか?』
「………あ、にぃにっ!」
男に声をかけられているのにも気づかず、遙香はようやく姿を見せた狛璃のもとに走っていった。少なからず驚いている狛璃に抱きつき、"お帰り" と飛びっきりの笑顔をつけて告げる。
「どうした?ハル」
「今日はね、僕とご飯食べに行くんだよっ」
「……へっ?零は知ってるのかな?」
「うん。ね、行こっ」
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