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メニューを見て食べたいものを注文し、待つ。今日は遙香の調子がいいのかたくさんの話が出てきて、駿はそれを目を細めて愛おしそうに聞いていた。
……まるで、もう分かっているかのように。
「あ、来ましたよっ」
「ほらもっと落ち着け、ご飯は逃げないから」
「へへ、怒られちゃった」
「光栄なことだな、それは」
「え?」
「嫌いな奴に説教垂れるような奴はいない。愛しいからこそ怒るんだ。愛しいからこそ…自分好みにしたくなるんだ」
(そう考えるとまるで調教だな…)
自分でいっていてちょっと怪しい思考に入ってしまい、慌てて頭を振る。目の前に置かれたハヤシライスを食べ、美味しそうパスタを食べている遙香をみた。
「……っ、あの…あんま見ないで、下さい…///」
「あ……あ、悪い。美味いか?」
「はい!来て良かったですっ」
「そうか、俺も良かった」
女の人なら惚れてしまいそうなほどの優しい笑みをみせ、食べ進める。今日は遙香のエスコートだからとおごろうとしたが、結局は駿におごられてしまった。
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