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 白い長袖に赤のノースリーブの上着、下はピッチリとしたジーパンに…ブーツだ。体のラインがくっきりと出ていて、目がいってしまう。

 駿ももとがカッコイいので何を着ても似合い、2人して目立っていた。唯一の救いは遙香が男に見えない、ということだろうか。


「どこに行くか決めてるのか?」

「あ、はい。えっと…まずはお昼にしましょう?」

「そうだな。エスコート、頼むな?」

「ふふ、お任せ下さい」


 キュッと駿の手を握り、遙香が少し先を歩いて誘導する。小さな手は早く早くと急かしていて、駿は後ろでつい笑みを漏らした。

 2人がやってきたのは小さな洋食屋。遙香もまだ来たことがなく、ずっと行きたいと思っていたお店だ。カラン、という音をたてて中に入る。


「わ…なんか落ち着く…」

「奥の方へ行くぞ。あまり人目につかない方がいいだろう」

「はい」


 まるで癖の一つとでもいうように遙香の頭を撫で、席につく。そんな行為が普通になってしまい、嬉しいような恥ずかしいような気持ちになった。

 あの手は、嫌いではないから。





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