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 深刻な、でも少し焦っている顔をした遙香。狛璃は静かに遙香の横に座り、次の言葉を待った。しっかりと目をみて、耳を澄まして。


(あぅ…かっこいいよぉ…)


 真剣に見つめられて遙香は顔に熱がたまるのを感じていた。でも今話さないとズルズルと引きずってしまいそうだったから。だから深呼吸をしてから話を切り出した。


「今までっ、ごめんなさい」

「……?」

「嫌いっていって、ごめ、なさっ…!」

「気にしてないよ?にぃにが何かしちゃったんだよね…?」

「違うの…っ、僕が、いけないの」


 溢れ出してくる涙を必死にこらえ、遙香は言葉を紡ぐ。そんな姿をみて狛璃はツラそうな顔をするが、口を出さずにただ話を聞いた。


「お願い、嫌いにならないで…ワガママいわな、からっ…嫌っちゃやぁ」

「ハル、ハル、にぃにはハルを嫌いになったことはないよ?」

「嘘っ…僕、にぃにを困らせた!」

「そんなことない、そんなことないよ」

「ひっく……うぅ…」





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あきゅろす。
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