嵐
緑だった葉に少しずつ色がつき始めたころ、彼らの関係にもやっと色がつき始めていた。
この前の食事会で狛璃が別れたという事実を知った遙香は少し機嫌がよくなり、いつも楽しそうにしていた。2人きりではムリだが、幸慈や駿がいれば彰鬼とも話せるようになり、少しずつだが関係が戻りつつある。
「涼しくなってきたよね…」
「な、時間が過ぎんのってあっという間だぜ全く」
「幸ちゃんがきて…半年?」
「もうそんなに!?うわー俺年とった!」
(俺からすりゃこの1ヶ月は長かったけどな…)
今日は幸慈と零鬼が決めた、一緒にお昼を食べる日だ。屋上に集まり、遙香と零鬼のお弁当をみんなで食べていた。…とはいっても零鬼はおらず、駿と彰鬼がいるのだが。
主に遙香と幸慈が喋り、たまに駿が口を挟んで彰鬼は見ている…なんて状態だ。それでも彰鬼の顔色はよくなりつつあるし、遙香の拒絶の目ももうない。
「あ゙ー寝ちまいそー…」
「寝たら起こしてあげるよ?」
「んー……」
「わ、早い」
(気持ちよさそー…)
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