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「…あー…遙香?」
「……、え?」
「いや、平気かなーと思って」
「あ、うん、大丈夫だよ。あのね…ほんとはちょっと嬉しかったの」
「うん」
「にぃにの顔が見れたことも、別れてたことも。だからありがとっ」
「……いや、別に」
(あーあー嬉しそうな顔しちゃって)
みんなとの仲が戻ればいいと零鬼が企画したこの食事会。幸慈にとってハラハラした時間だったが、遙香にとってはいい時間になったようだ。
「幸ちゃん…僕って、いけない子かなぁ…」
「は、なんで?」
「駿先輩にね、触って欲しくなかった。僕がお願いしたのに……やっぱにぃにが好きだよぉ…っ」
「遙香…。それでいいんじゃね?気持ち、大事にしろよ」
「ごめんね…」
(幸ちゃんの気持ち、知ってるのに…)
それでもこの熱い気持ちは止められない。情けない顔をする遙香の頭をパシッと叩き、幸慈はただ笑った。それが嬉しくて遙香もペンッと叩き、笑顔を見せた…。
(こういう想い方もあるだろ?)
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