[携帯モード] [URL送信]

 理樹の一言で場の空気は余計に悪くなり、駿と零鬼は深く溜め息をついた。仲直りができれば、そう思っていたのに…。


「どうしてお前はそう場をかき乱すんだ…」

「だって、のうのうとしてるこの人が頭にキたから」

「え…?」

「や、やめて下さい!だからっ…だから僕は先輩が嫌いなんですっ!もう、やだ…ぁっ」

「は、ハル?泣かないでくれ、な?」

「に、にもっ…何で来たのぉ…っ!あの人、とこいればっ、いいのに!!」

「ハルハル!!」

「ひぅっ…!」


 それ以上は止めろ、そう目で訴えてくる零鬼に遙香は竦み上がってしまった。椅子の上に足をあげ、膝を抱え込んで泣き出してしまう。駿はその小さな背中をそっと撫で、幸慈はオロオロしながら紙を渡した。


「ハル…よく、分からないけど…あの人とはもう会ってないよ?」

「っ…?」

「にぃにはね、何よりもハルが大事なんだ。まだ、許してくれないかなぁ…?」

「別れっ…た…?」

「うん」


(僕のために?にぃには、僕のとこに戻ってきてくれるの?)





[*前へ][次へ#]

51/55ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!