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理樹の一言で場の空気は余計に悪くなり、駿と零鬼は深く溜め息をついた。仲直りができれば、そう思っていたのに…。
「どうしてお前はそう場をかき乱すんだ…」
「だって、のうのうとしてるこの人が頭にキたから」
「え…?」
「や、やめて下さい!だからっ…だから僕は先輩が嫌いなんですっ!もう、やだ…ぁっ」
「は、ハル?泣かないでくれ、な?」
「に、にもっ…何で来たのぉ…っ!あの人、とこいればっ、いいのに!!」
「ハルハル!!」
「ひぅっ…!」
それ以上は止めろ、そう目で訴えてくる零鬼に遙香は竦み上がってしまった。椅子の上に足をあげ、膝を抱え込んで泣き出してしまう。駿はその小さな背中をそっと撫で、幸慈はオロオロしながら紙を渡した。
「ハル…よく、分からないけど…あの人とはもう会ってないよ?」
「っ…?」
「にぃにはね、何よりもハルが大事なんだ。まだ、許してくれないかなぁ…?」
「別れっ…た…?」
「うん」
(僕のために?にぃには、僕のとこに戻ってきてくれるの?)
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