3
遙香の横はもちろん駿で、目の前は零鬼。その横に幸慈が座り、遙香とは真逆の所に狛璃が座った。
(にぃに…久しぶりに顔みたな…)
(ハル、熱はもう大丈夫なのかな)
──バチッ
「っ…!」
ポケーっと狛璃を見ていたら目が合ってしまった。遙香はバッと顔ごとそらし、小さく俯いてしまう。顔が真っ赤だ。熱を出したときのことを思い出し、あの優しい手が懐かしくなってしまったようだ。
(うわーこれ大丈夫なのか…?)
幸慈は入ったときから顔が真っ青。なんとかその場を盛り上げようとしているが、それは虚しくも滑ってしまっている。あまり話さないまま注文したものがきて、ただ黙々と食べた。
そしてふと、理樹が狛璃に顔を向けた。
「確かハルちゃんのお兄さんですよね?」
「え、うん?」
「ハルちゃんのこと、どう思ってるんですか?」
「どうって…君、いきなりなんだ?」
「おいてめぇ、余計なことに口出すな」
(えっ…や、ヤダ…!)
狛璃が理樹のことを訝しげに見、横にいた彰鬼が理樹の服を掴み上げる。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!