2
顔を合わせたくなかった人、会いたかった人、会わせづらい人。みんなが揃ってしまっていて、ただ戸惑うことしか出来ない。
「喋りたくなかったら喋んなくていい。でも食おうぜ、一緒に」
「っ…ど、して…」
「ちゃんと話がしたかったっつーのと…彰鬼たちのメシもちゃんと食わせたかったから、かな」
「ごめんな遙香、嘘ついて…」
「……ん、いいよ。2人は、悪くないもんっ。早く入ろ」
(大丈夫っ…にぃにの顔、見なきゃ平気…)
緊張で顔がこわばっているが、遙香は2人と一緒にみんなのもとへ向かった。そのときに駿が近寄ってきてくれ、ポンと頭に手を乗せてくれる。
いつもは嬉しいそれが今だけはして欲しくなく、遙香はついその手を避けてしまった。
「っあ、ごめんなさっ…!」
「……いや、いいんだ。中へ入ろう」
「は、い……」
「ふん、まだ懐いてないじゃん」
「理樹」
「………」
理樹はつまらなそうに駿の横を通り過ぎ、その後を幸慈がついていく。遙香たちが入ると寂しそうにした狛璃も入ってきて、みんなで同じ机に座った。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!