7
狛璃は慌てて遙香を抱き上げ、お風呂場に向かう。お湯を溜めている時間なんてないからシャワーをかけ、冷えた体を温めた。パジャマを着せ、氷枕なども用意する。
「なんでっ…ハル、苦しいだろうに」
「んぅ…」
苦しそうに体を丸めた遙香に布団をかけ直し、落ち着かせるように頭を撫でる。そうしているうちに遙香も静かな寝息に変わり、ホッとしたように狛璃も家を出ていった。
◆
「ハルハルー大丈夫か?」
「ん……零にぃ…?あれ、僕…」
「風邪?自分で用意した?」
「え、ううん…っ…わか、ない。零にぃじゃないの?」
「いや、オレは今帰ってきたとこ」
零鬼に揺すり起こされ、遙香は目を開けた。自分が熱を出したということにも驚いたし、これをしてくれたのが零鬼じゃないということにも驚いた。
「じゃあ…駿先輩、いたのかな…?」
「んーそんな様子もなかったぜ?」
「えー…?」
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