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 その男が解放されたのは、Jumble全員に袋叩きにされた後だったとか。


 デビルはJumbleに男を引き渡し、お金を奪って遙香のもとに戻ってきた。もう大声では泣いていなく、でもバンから離れる様子は見せない。彼らは一瞬にして遙香のヒーローになった。


「クリーニング代もらってきたぜー」

「デビル…どうしましょう。やはりオーガーに連絡入れた方が…」

「っ、ダメ!や!……いや」

「……あーんさ、なんでそこまで避けるわけー?俺らに八つ当たりしてこえーの、総長」

「………やぁ」


 力なく首を横に振り、またバンに抱きついた。あの男は強引にとはいえ、彰鬼と同じことをしたのだ。怖くないわけがない。それを見かねたバンが遙香を持ち上げ、家まで送ることになった。


「ふぇぇ、も、どうして僕なの…っ!会いたい、にーにに会いたいよぉ」

「会っていいんじゃないですか?」

「や、だ。嫌われ、ちゃったもん。や、やだっ…みんな嫌いなの!」

「意味分かんねー。お前が受け入れてねーだけじゃーん?」


(分かってるけどっ…でも、でもっ…)





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あきゅろす。
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