3
「あーあー…ん゙、んんっ」
「………」
「マーマーマー♪」
「………」
「ちょ、ツッコんでよ俺バカみたいじゃん!!」
「っえ?あ、声だししてたんじゃ…?」
「……うん、まぁそうなんだけど」
でも幸慈はボケたつもりだった。なんて悲しい会話をしているうちに音楽祭は始まり、体育館に歌声が響いた。中には踊りや劇をつけたりして派手にやる所もあり、誰もがその時間を楽しんだ。
『続いて、2ー3の発表です!』
「俺たちはやればできる!」
『とにかく歌おうぜ』
「行くぞ」
『『おーっ』』
(っぅ…きんちょ、する…っ)
いよいよ遙香たちの出番だ。ステージ横に集まり、みんなで気合いを入れる。だけどここに来て緊張が一気に高まってしまったのか、遙香の体が小さく震えた。
「遙香、リラックスリラックス」
「ん…」
「ほら、あそこ見てみろよ」
「え?……あ、駿先輩…」
みんながステージに並び、幸慈はある一点を指差した。そこには遙香を見て微笑んでいる駿がいて、その笑顔をみた遙香は緊張が少しずつ解けていくのが分かった。
あの笑みは、狛璃と同じだ。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!