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「あーあー…ん゙、んんっ」

「………」

「マーマーマー♪」

「………」

「ちょ、ツッコんでよ俺バカみたいじゃん!!」

「っえ?あ、声だししてたんじゃ…?」

「……うん、まぁそうなんだけど」


 でも幸慈はボケたつもりだった。なんて悲しい会話をしているうちに音楽祭は始まり、体育館に歌声が響いた。中には踊りや劇をつけたりして派手にやる所もあり、誰もがその時間を楽しんだ。


『続いて、2ー3の発表です!』


「俺たちはやればできる!」

『とにかく歌おうぜ』

「行くぞ」

『『おーっ』』


(っぅ…きんちょ、する…っ)


 いよいよ遙香たちの出番だ。ステージ横に集まり、みんなで気合いを入れる。だけどここに来て緊張が一気に高まってしまったのか、遙香の体が小さく震えた。


「遙香、リラックスリラックス」

「ん…」

「ほら、あそこ見てみろよ」

「え?……あ、駿先輩…」


 みんながステージに並び、幸慈はある一点を指差した。そこには遙香を見て微笑んでいる駿がいて、その笑顔をみた遙香は緊張が少しずつ解けていくのが分かった。

 あの笑みは、狛璃と同じだ。





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あきゅろす。
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