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(焦っちゃって…可愛いなぁ)


 夜は久しぶりに零鬼とお風呂に入った。仲がいいとはいえ家も違うし、もう高校生ということもあって入る機会がなかったのだ。だが遙香が入りたいと言い出し、久しぶりに入ることになった。

 女の子のようになめらかな、でも痛々しい傷跡の残る背中を洗ってあげ、湯船に一緒に浸かる。零鬼は遙香を意識することがないので普通に入り、学校の話に花を咲かせていた。


「あ、そうだ…」

「ん?」

「零にぃ…他の人と、会ってる…?」

「あー…うん、一応連絡はとってるけど。それがどうした?」

「ううん。彰ちゃんとね、今日、会ったの」

「………うん」

「僕のせいかもしれないけど、凄く疲れてるように見えたんだ…」


 本人とはまだ話せないからいわなかったが、凄くやつれているように見えたのだ。鉄の匂いも凄かったし、見た目だけでもそれなりのキズがあった。ちゃんと寝てるのか、ご飯を食べてるのか、本当は心配でたまらなかったのだ。

 ……もちろん、一緒に住んでいるはずの狛璃のことも。





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