[携帯モード] [URL送信]

『よーい、スタートッ!』

「入れろぉおお!!」

『うぉおーっ』
『えいっ…えいっ!』
『キャッ、いたーい』
『入んねーっ!』


「んっ……んっ!わ、入った!」


 赤と白の小さな玉が宙を飛び交う。始まってしまえばみんな真剣になり、中には邪魔をしようと相手チームに玉を投げる人がいた。遙香も微力ながらに玉を投げていく。


(うっ…入らないよぉ…っ)


「遙香、もうちょっとこう…角度つけて」

「ん、えいっ!」

「力任せよりは弧を描くように…」

「っん!」

「いや、もっと高く…」


「も、幸ちゃんうるさい!どうせ下手ですよっ!」

「うわ、いて、ごめんー!」


 なかなか入らないのが悔しく、遙香は幸慈に八つ当たりをした。持っていた玉は幸慈に投げ、それがなくなると力のない手でペチペチと叩く。

 するとそれを見たクラスメートが便乗してきて、みんな幸慈目掛けて玉を投げてきた。もちろん力は抜いているし、遙香は安全な場所へ避難させられているが。





[*前へ][次へ#]

25/55ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!