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『よーい、スタートッ!』
「入れろぉおお!!」
『うぉおーっ』
『えいっ…えいっ!』
『キャッ、いたーい』
『入んねーっ!』
「んっ……んっ!わ、入った!」
赤と白の小さな玉が宙を飛び交う。始まってしまえばみんな真剣になり、中には邪魔をしようと相手チームに玉を投げる人がいた。遙香も微力ながらに玉を投げていく。
(うっ…入らないよぉ…っ)
「遙香、もうちょっとこう…角度つけて」
「ん、えいっ!」
「力任せよりは弧を描くように…」
「っん!」
「いや、もっと高く…」
「も、幸ちゃんうるさい!どうせ下手ですよっ!」
「うわ、いて、ごめんー!」
なかなか入らないのが悔しく、遙香は幸慈に八つ当たりをした。持っていた玉は幸慈に投げ、それがなくなると力のない手でペチペチと叩く。
するとそれを見たクラスメートが便乗してきて、みんな幸慈目掛けて玉を投げてきた。もちろん力は抜いているし、遙香は安全な場所へ避難させられているが。
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