15 僕を思ってくれてたのがよく分かったの。僕はきっとズルいよね…裏切らないでいてくれるなら、仲良くしちゃおうって思っちゃってる。 ごめんね先輩、 ごめんね幸ちゃん…。 そうじゃないと、もっ…やってらんないよぉ…っ。 * * * 駿の腕の中で涙ぐむ遙香。それに気づいた駿は何もいわずにそっと背中を撫でた。そして思い出す昨日見たアレ。 「この傷…どうした?」 「っ!?」 (ぇ、や…見られた!?) 「やだ…ヤダやだっ!!触ら、ないで…っ、ひぅ…ヤ」 「遙香!?おい、暴れんなっ…遙香!」 「ごめんなさっ…ごめんなさい、ふぇっ…」 泣きながら駿から離れ、頭からすっぽりと布団をかぶる。やはりソレはどんな相手でも見られたくなかったものであり、遙香はただ謝り続けた。 「っ…もう聞かないから、な?男だろ?泣くなよ、な?」 「ヤダッ…にぃに、にーに助けてっ…、あぁあ、怖いよっ…なんでぇ…っ」 「くそっ!俺は…っ」 「いやンんっ!ん゙、んっ…ふ……ッ」 (目の前にいんのは…俺だろ…) [*前へ][次へ#] [戻る] |