13 *
「ああっあン!ふぇ、気持ちッ…ああ、怖いっ」
「はっ…、あ?」
「変、怖いっ…ふぁぁ…僕、ど、なっちゃ…やぁぁ!」
「それでいいっ…、く…俺だけを考えてろ」
「ああンッ…ぁぅ、出ちゃ…またイっちゃうよっ…」
駿の背中に手を回して激しくなる律動にたえる。2人の限界がもう近いのか、荒い息と水音だけが大きく響いた。
「っ…も、イけ!」
「ひっ…やぁあンッ!!ああっ…ゃ、に…に、にぃにっ…!!」
「っ……!」
「んぁぁ…ふぇっ……にぃに…」
(っ…クソ、ふざけるなよ…)
後に残ったのは熱すぎる熱と、心に響く虚無感。
初めての行為で気を失ってしまった遙香は泣いていて、こちらが悪いことをした気になる。最後に呼んだのは駿でなく狛璃。分かっていてもやはりそれは厳しく、駿は悔しそうな顔をした。
「ほんと、なんでコイツなんだ…」
いい人なら他にもいただろうに、どうして遙香を好きになってしまったんだろう。遙香の泣きボクロをそっと触りながら溜め息をつき、それでも繋がっていたことを実感する。
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