7 リビングで仕事をしている駿に、トントンと包丁を操る遙香。端からみれば夫婦のようで、2人が付き合ってるんだと再認識させられる。 「っあ゙ー終わった」 「お疲れ様です。こっちも後少しで出来ますよ」 「この匂いは…ハンバーグか?」 「えへ、はい」 「ふーん、料理上手そうだもんな。楽しみだ」 「へへ、ハンバーグが一番美味しいっていつも言ってくれて…て、……だから、えと…」 (兄さんがそういったのか…) その通りだ。いつも作るたびにそう誉めてくれて、人に作るときがきたらハンバーグと決めていた。ほんとはいうつもりはなかったのだが、そのままの勢いでいってしまった遙香はオロオロとし始める。 「……さ、用意をするか」 「……ん、はい」 駿は何もいわずにクシャッと頭を一撫でし、夕飯の準備を手伝った。ハンバーグだけじゃなくシャキシャキのサラダに、スープまでついている。どれも美味しそうで、用意を終えた駿はかぶりつくようにして食べた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |