6 「あの、お邪魔しまーす…」 「……ああ、何もなかったか?」 「はい。お仕事ですか?」 「まぁな。だがもういいだろう。遙香、飲みもんいるか?」 「え、そんなっ……あ、僕手伝いますよ!」 買ってきたものを冷蔵庫に入れながら遙香はそういった。自分のためにまだ残っている仕事を切り上げて、会ってくれるだけで十分嬉しいのだ。それに、 「2人でやった方が早く終わりますっ」 「じゃあ…少しだけ手伝ってくれ」 「もちろんですよ!」 ということで、のんびりする間もなく2人は生徒会の仕事に取りかかった。思ったよりも書類は多く、時間がかかってしまった。暗くなった部屋をオレンジの日が照らす。 「んぅ…」 「……。遙香、眠かったらいいぜ」 「うぅん…ご飯、作りますね」 「あ、ああ……」 (大丈夫か…?) 立ち上がった遙香はフラフラしていた。長時間座っていたせいもあり、体が固まってしまったらしい。だけど遙香はニコッと笑い、キッチンへ立った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |