4 零…お前がいう『はっきりする』ってなんだ?なんであのとき、ハルはあんなにショックを受けたんだ? いくら考えても分からない。 「ハル…頼む、笑っててくれ…」 会えないのなら、会いたくないのならせめて笑っててほしい。 友達の方はどうなってるのか、学校は大丈夫なのか……ハルの声が聞きたいな…。 * * * 久しぶりにみた彰鬼は不機嫌さが滲み出ていて、目があえば誰でも殴り倒してしまいそうだった。だから駿が睨まれたときは本当に怖かったのだ。 自分の寄りどころをまた、奪うのかと。 「……遙香、んな顔するな」 「えっ…」 「お前は難しいことは考えずに笑ってればいい。ツラいことは忘れろ」 「ん、ごめんなさい。せっかく駿先輩といるのにね」 「それは別に気にするな。ったく…ほら、気を緩めろ」 (あ…同じ…) 優しく頭を撫でる手に、狛璃を思い出してしまう。自分を甘やかしてくれる駿に心は少しずつ緩んでいき、ご飯を食べて家に行くころには笑顔が戻っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |