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「…ねぇ零にぃ…」

「んー?」

「人を利用するのって、凄くいけないことだよね」

「まぁ…かもな。それがどうした?」

「ううん、何でもないの」


「……でも、それで心が晴れるならいいんじゃん?少しだけなら別にいいと思うけど」

「え、」

「利用、していいぜ?オレだってハルハルの兄貴のつもりだし。遠慮すんな」


 クシャッと髪を撫で、満面の笑みを見せた。零鬼のことではないのだが、そういってもらえるだけで少し心が軽くなったのは確かだ。遙香はやっと笑顔をみせ、今日は2人一緒に眠った。



▼駿side

泣く姿は綺麗だと思った。
笑う姿は幼いと思った。
普段の顔は、儚いと思った。

気づいたら遙香しかいなかった。


「俺もバカだな…」


アイツにはあんなにも想ってる奴がいた。学園祭のときのどちらかだろう。

なのに…手を出してしまおうと思う自分がいる。利用されて利用して、きっと他の奴らよりも俺は最低だ。





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