7 「…ねぇ零にぃ…」 「んー?」 「人を利用するのって、凄くいけないことだよね」 「まぁ…かもな。それがどうした?」 「ううん、何でもないの」 「……でも、それで心が晴れるならいいんじゃん?少しだけなら別にいいと思うけど」 「え、」 「利用、していいぜ?オレだってハルハルの兄貴のつもりだし。遠慮すんな」 クシャッと髪を撫で、満面の笑みを見せた。零鬼のことではないのだが、そういってもらえるだけで少し心が軽くなったのは確かだ。遙香はやっと笑顔をみせ、今日は2人一緒に眠った。 ▼駿side 泣く姿は綺麗だと思った。 笑う姿は幼いと思った。 普段の顔は、儚いと思った。 気づいたら遙香しかいなかった。 「俺もバカだな…」 アイツにはあんなにも想ってる奴がいた。学園祭のときのどちらかだろう。 なのに…手を出してしまおうと思う自分がいる。利用されて利用して、きっと他の奴らよりも俺は最低だ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |