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「食べるよーハルが作ってくれたからね」

「へへっ…おいし?」

「うまいぞっ!こんな美味いの他にはない!!」


これ本当だからな!
ハルの作るご飯は美味しいんだ。赤いエプロンして作る姿なんか…男には見せらんないな。


あーあ、そんな笑顔で食べて…黒いハルがいてくれて良かったかもなぁ。
あれならちょっとは男たちを寄せ付けないはず。……だよな?



* * *


「ごちそうさまでしたっ」

「よし、片付けたらにぃにとお風呂入るか!」

「ん……入る」


 この年にもなって。そう思うかもしれないが、遙香と狛璃の間ではこれは普通だ。時間さえあればいつも一緒に入っている。そこからも分かるように、狛璃にとって遙香は本当に可愛い"弟"なのだ。

 その後、2人でゆっくりお風呂に入って寝ることになった。遙香は明日からのことを思って憂鬱そうに、狛璃は今日の可愛かった遙香の姿を思い浮かべて…。


 翌朝、いつものように朝食と準備を終えた遙香は、狛璃に見送られながら学校へ向かった。男の制服を着ているのにも関わらず、道行く人たちの視線を集める遙香。歩くスピードが少しだけ早くなった。





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