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 縁側で膝を抱えていた遙香。体は震えているし、鼻をすする音が絶えない。こんなときどんな言葉をかけていいのか、それが分からない幸慈はただ横に座っていた。


「……」

「………」

「…………」

「……幸、ちゃん…」

「んー?」


 どれくらい経っただろうか、今にも消えそうな声で遙香は幸慈を呼んだ。声が震えている。


「ど、して…僕に話しかけた、の?好きって…友達の好き、だよね…?」

「っ…それは…」

「いってよ、本当のこと。もう…今更1人増えても同じなんだから…」

「あー…うん、始めは1人の人として遙香に好意を持ったかな。今も確かに持ってる」

「………」

「…でも、俺は遙香の友達でいるって決めてるし。遙香が嫌がることはするつもりねーし」

「………嘘」

「ホント。狛璃さんにも釘刺されてっしなー。ま、今は信じてくれっていってもムリかもな。今はゆっくり休んでよ。んじゃ」


 長居は無用。1人にしてくれというオーラが遙香から出ていた。今の遙香が幸慈の言葉をしっかり受け取ってくれるのか。それは一つの賭でもあったが…彼の名前を出したのは正解だった。





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