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始めは調子のいいことをいって、最後はこうして裏切るんだから。みんな大好きだったから今日までこれたのに。どうして、どうして…。
(僕が、いけないの…?)
パンクしそうな頭で思ったのはそれと狛璃のことだけ。狛璃は大丈夫だろうか。…いや、この気持ちは一体何なのだろうか。2人の人に告白をされて、自分の持つ気持ちに疑問を持ち始めていた。
「な、遙香、落ち着いて聞いてくれ…」
「や、だ…やだ。彰ちゃんも嫌い、……嫌い…」
「遙香!」
「っ…!!」
バッと遙香は部屋を飛び出した。その様子を部屋の外で聞いてしまった幸慈はあとを追いかける。…が、彰鬼はその部屋から動かなかった。いや、動けなかった。
あの遙香からの拒絶。築き上げてきたものが一瞬にして崩れ落ちた。頭を鈍器で殴られたような、そんな感覚しか残らなかった…。
「……遙香、スイカあんだけど…食わねー?」
「………いらない」
「…そっ、んじゃ俺はいただきまーす」
「……ひっく…」
「んーあめぇ」
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